鉄道唱歌 北海道編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
鉄道旅行を楽しむためのノウハウを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
見かへる臥牛の山消えて
緑果てなき牧場も
秋は桔梗の花ざかり
さらに読みやすく!
見かえる臥牛の 山消えて
緑果てなき 牧場も
秋は桔梗の 花ざかり
さあ、歌ってみよう!!
♪みかえるがぎゅうの やまきえてー
♪みーどりはてなき ぼくじょうもー
♪あーきはききょうの はなざかりー
函館駅→桔梗駅→七飯駅→新函館北斗駅→大沼公園駅→駒ヶ岳駅→森駅→八雲駅→国縫駅→長万部駅→黒松内駅→比羅夫駅→倶知安駅→然別駅→余市駅→蘭島駅→塩谷駅→小樽駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋
函館観光を終え、ここからは列車の旅へ
函館観光も終わり、いよいよJR北海道の旅に出かけます。
鉄道唱歌では、この5番にして、ようやく列車に乗ってスタートする、というストーリーになります。
私(筆者)は、函館が大好きです。
なので、函館駅を出発するときは、いつも名残惜しく感じます。

函館駅を出発!(北海道函館市)
朝・函館を出ると、普通列車でも夜に札幌に到着できる
ここで、
- 青春18きっぷ
- 北海道&東日本パス
を使用して、普通列車のみを利用するという難易度の高い方法を選択する場合、
- 朝の8時台に函館をスタートし、
- 11時前に長万部に到着、
- 約2時間の待ち合わせの後に、13時台に倶知安行きに乗り、
- 小樽には夕刻あたりに着き、
- 札幌には夜に着く
ことになります。
【函館から札幌に普通列車のみで行くときのスケジュール例】
10:51 長万部着
13:29 長万部発 函館本線・倶知安行
15:02 倶知安着
15:16 倶知安発 函館本線・小樽行
16:26 小樽着
18:30 小樽発
快速エアポート166号・新千歳空港行
19:07 札幌着
上記のスケジュールだと、朝に函館を出発して、夜までには普通列車のみで札幌に着くことができます。
函館駅を出て、後ろに消える函館山(臥牛山)
函館駅をキハ40(※)などの車両に乗ってスタートすると、バックに函館山が後ろに消えていくのが窓から見えます。

後ろに消える函館山(臥牛山)(北海道函館市)
キハ40:国鉄型の気動車。グレーと緑の色合いが特徴。
いわゆる軽油で動くディーゼルエンジンを用いた「気動車」のため、「電車」ではない。
歌詞に
とありますが、これは函館山(はこだてやま、標高334m)のことをいいます。
函館山はまるで牛が臥(ふ)せている(うつ伏せ)みたいにみえることから、
なる別名もあるようです。
なお、似たようなネーミングの山に、静岡県沼津市にも、牛臥山という山がありますね。
我入道海岸にある、あの山です。あれもまさに牛が臥せているようにみえるため、牛臥山と名付けられたようですね。
鉄道唱歌 東海道編 12番にも
と歌われていますね。
詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

函館山(はこだてやま、標高334m)は、
- 約100万年ほど前に、
- 海底火山の噴火がおこり、
- それによって積もった物(堆積物)によって、作られた山
になります。
つまり函館山は、元々は山というよりも、孤島でした。
しかし、
- 約5,000年前に、
- 函館市内を流れる亀田川が、
- 山の方から砂を運び続け、
- それらが長年に渡って溜まり続け、
- 砂州(さす)となって、陸続きとなった
のでした。
函館山について詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

北海道で最も歴史が古い、函館本線
函館本線は北海道でも最も歴史の古い部類の路線になります。
函館駅~新函館北斗駅と、小樽駅~岩見沢駅の区間以外は、電気ではなくディーゼル等で走る「非電化区間」になります。
そのため、キハ40などの気動車で走ることになります(※)。
キハ40は、国鉄(日本国有鉄道。JRの前身)の時代に1970年代~1980年代にかけて数多く製造された車両です。
現在でも、北海道ではバリバリの現役(※注)で、北海道では二重ガラス構造なので冬でも車内は暖かいです。
夏は、冷房ではなく扇風機+窓全開、という形になります。
窓から北海道ならではの夏の涼しい風を全身に受けられますが、窓から入ってくる強烈な風に注意しましょう。
また、線路にシカが乱入すると大きな汽笛を鳴らすため、こちらも驚かないよう注意しましょう。
車内はトイレがついているため、長時間の乗車時も安心です。
「道南いさりび鉄道」との分岐駅・五稜郭駅
函館駅から1つ北へいくと、
- 五稜郭駅(ごりょうかくえき、北海道函館市)
に到着します。
駅名から、五稜郭への観光への最寄駅にも思えますが、実際には函館駅から市電で向かうという方が、五稜郭の観光には便利といえるでしょう。
五稜郭駅は、「道南いさりび鉄道」との分岐点でもあります。
道南いさりび鉄道は、新幹線駅でもある木古内駅まで続く路線です。
しかし、元々は2016年までは、JR北海道の
- 江差線
でした。
しかし、2016年に北海道新幹線が開業し、それに伴いJRから経営分離されました。
つまり、
の移動は、北海道新幹線に譲ったということですね。
しかし、新幹線が出来たからといって、江差線を丸ごと廃止すると、今度は沿線住民の方々の交通手段が限られてしいます。
そのため、民間会社の道南いさりび鉄道に経営が引き継がれたわけですね。
また、その江差線も元々は渡島半島(※)のに西海岸にある江差町という漁港・港町を結ぶ路線でした。
つまり、木古内駅からさらに西に江差駅まで延びていたのでした。
※渡島半島:函館のある、北海道の南に突き出た半島のこと
江差線は、元々は江差で採れたお魚を大量に運ぶために貨物路線として賑わいました。
しかし、1960年代以降に車社会への移行(モータリゼーション)が進み、貨物列車の衰退とともに沿線の利用客も減ってしまったのでした。
このことで、2014年に木古内駅~江差駅間は、廃止されてしまいました。
現在では、江差町まで交通機関で移動するには、木古内駅からバスを利用することになります。
桔梗駅に到着
五稜郭駅を過ぎると、今度はGLAYの出身地としても知られる、
- 桔梗駅(北海道函館市)
に到着します。

桔梗駅(北海道函館市)
歌詞に出て来る「桔梗(ききょう)」というのは、本来であればムラサキ色の綺麗なお花のことです。
しかし、ここに出て来る桔梗とは、歌詞の流れから察するに、函館駅から3つ隣の桔梗駅のことで間違いないかと思います。
あくまで推測ですが、鉄道唱歌の当時は、
- この近辺では、緑豊かな牧場が広がっていた
- 秋になると、桔梗の美しい花が咲き乱れていた
のかもしれません。
もちろん、桔梗駅に因んだ歌詞の選定ということもあるでしょう。
私も、桔梗駅で降りたことあります。
鉄道唱歌では、桔梗のほかに
- 女郎花(オミナエシ)
- 苅萱(カルカヤ)
- 菜種(なたね:アブラナの種で春の風物詩)
などの美しいお花や植物の名前がたくさん登場します。
そのため、沿線の窓の景色を眺めるときの、参考にするとよいでしょう。
前述した通り、桔梗は日本を代表するロックバンド・GLAYのメンバーの出身地としてファンの間では知られています。
幼き頃のTERUさんらGLAYのメンバーがこの地を駆け回っていたかと思うと、ファンにとってはまさに聖地ですね!
次は、七飯駅に止まります!
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